Page 5 - 神戸フィルムオフィス20周年記念
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ムオフィス
神戸フィルムオフィスとさまざまに関わりのあ る映画やドラマの関係者、街のみなさんから の声を集めました。
Takashi Yamazaki
director
──神戸フィルムオフィスとの最初の 接点はなんでしょうか。  最初にご一緒した『リターナー』*3で は、アクション映画として今までにない ようなことをやりたいと相談をして、大 爆発のシーンをいくつも撮りましたし、 道路封鎖してのカークラッシュだとか、 ヘリの上で機関銃を乱射する場面をも う1台のヘリから撮影するということま でやらせてもらいました。僕にとって もまだ2作目でしたので、「おー映画撮 ってるぞ!!」とすごく興奮したことを覚 えています。それで、日本でもこんなに アクションシーンが撮れるんだと思っ てたら、実は、全然そんなことはなくて。 神戸基準でロケ撮影を始めたのは、す ごく贅沢なことだったのだと気づかさ れました(笑)。 ──山崎監督には神戸ロケで撮影され た作品が多くありますが、映画のカメラ を通して見る神戸のよさってなんでしょ うか。  山から海までの距離が近くて、その凝 縮した中に入ってくるものがバラエティ に富んでいることが魅力的だと思います。 地形の力も大きいと思いますが、フレー ムを切った瞬間に、画面の構図としてお もしろいものが存在している。昔から言 われていることですが、どこを向いても 絵になる街だなという感じがします。 ──VFXなどの映像技術が向上するな か、ロケ撮影の意義をどう考えておられ ますか。  実際、技術が進むにつれて、ロケ撮影 しなくてもやれてしまうことがあるし、 ロケ撮影が贅沢なものになってきてい るのは確かです。ただ、僕はVFXでやり
 たがる人だと思われがちですけど、でき るだけ実際のもので撮りたいんです。 現実に存在する場所の持っている強さ は、頭の中だけで考えたものを超えると ころがあると思います。 ──コロナ禍以降、ますますロケ撮影の 機会は貴重なものになりそうですね。  そうですね。といっても、僕の映画で は、神戸を舞台とするために神戸で撮る ということはなくて。近現代や近未来 を扱った作品がほとんどなので、ロケ撮 影だったとしても、その場所が持つおも しろさや美しさをお借りして、映画に必 要な時代性を表現しているというとこ ろがあります。それでも、やっぱり街の 魅力というのは画面に映りこむもの。 たとえ凄絶なシーンだったとしてもで す。観光ガイド的なこれみよがしなこ とではなく、潜在的にその場所が持つ魅 力をフィルムに定着させることは、たく さんお世話になっている神戸フィルム オフィスへの恩返しにもなるかなって、 そこはいつも意識しています(笑)。
*3 映画『リターナー』は、山崎貴が監督・脚本・ VFXを務めた東宝配給作品。港に停泊した 船上での銃撃戦、バイクチェイスなどがポ ートアイランドで撮影された。
Interview
003
 ル
 山崎貴さん
監督
やまざきたかし◎2000年『ジュブナイル』で監督デ ビュー。2002年の『リターナー』を皮切りに、『AL WAYS 続・三丁目の夕日』『寄生獣』『海賊とよばれ た男』など、多くの監督作で神戸ロケを行なう。






















































































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