Page 6 - 神戸フィルムオフィス20周年記念
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Norifumi Ataka
Production Designer
数々の映画で美術を担当。手がけた神戸ロ ケ作品は『ノルウェイの森』、『マイ・バック・ ページ』、『スパイの妻』など。
 神戸のロケ撮影で、印象的に思い出されるのは『ノ ルウェイの森』で使った神戸大学の学生寮*4です。実 際にまだ現役で使われている場所に、時代設定にあわ せた装飾を加えて、とてもスムーズな撮影になりまし た。神戸の街は懐が深いというのかな、新しいことを おもしろがって受け入れてくれる空気を感じます。都 市の洗練されたモダンさと地方性、その両方をあわせ て持っているのが特色じゃないでしょうか。僕らは、 撮影準備の段階から撮影が終わった後のバラシまで、 ロケ地と関わる時間は長くなりますので、そこでも KFOの方々にはいろいろとフォローいただいています。
*4 映画の舞台である1970年代の学生寮として、神戸大学の住吉 寮、リニューアル前の国維寮がロケ地となった。
   わたしと神戸フィルムオフィス
Interview ※文中のKFO=Kobe Film Officeです
 阪神大震災の際にこのあたりもかなり被害があって、大 丸山公園は避難場所にもなりました。その後、きれいに整 備されて、自治会でもときどき見回り活動などを行なって きました。この公園で映画を撮影したいという話を聞いて、
「なんでこんなところで」と驚きはしましたが、「いい映画 を撮ってください」とすぐに賛成。撮影場所の準備段階か ら見ていましたので、撮影が大変なのはよくわかりました。 ロケ中は若い子もかなり集まってきたので、「ちょっと悪
い、いまは静かにしてやってね」と 声をかけたりして、できるだけ僕ら も協力しました。この映画は家内と 見に行けたらなと思います。
Shinichi Murakami
Town
c h a i r m a n
長田区の大丸町2丁目にある大丸山公園 は、神戸西部~大阪南部まで見渡せる高台 の公園。2020年夏公開の映画『思い、思わ れ、ふり、ふられ』で重要なロケ地となった。
    Junichi Tashiro
Publicist
作品完成後のプロモーションや試写会、 完成披露イベントだけでなく、撮影現場 でのマスコミ取材などもセッティング。
 撮影の現場はいい作品をつくることに専念してい ますので、宣伝に向けた下準備までなかなか行き届か ないことが多いのですが、KFOさんが間に入っていた だくと、宣伝まで含めた視点を持ってくださるので、 とても仕事がやりやすいんです。なかでも2013年公 開の『少年H』は、撮影前に降旗康男監督、水谷豊さん、 原作者の妹尾河童さんと市長を表敬訪問させていた だいて、作品が完成した後もプレミア試写会を開いた り、撮影場所となった異人館「萌黄の館」でのイベント を実践するなど、神戸とも長いスパンで関わったの で、個人的に印象に残っていますね。
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美術デザイナー 安宅紀史さん
TOHOマーケティング 東宝宣伝室 田代純一さん
大丸町2丁目自治会 会長 村上真一さん













































































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